孤独を選ぶ

異性に興味が無いのではない。欲求が生じないのでもない。もはや異性と恋愛ができない頭/体になった、と表現すれば良いのだろうか。高校で出会った一人の女性が、僕をそう変えた。彼女は僕が異性に求める全てを持っている。その完璧さは言語化できない。理屈ではなく本能でわかった。そんな人が、高校3年間同じクラスに居た。僕は早々に負けた。不可抗力だった。人はこれを恋と呼ぶのだろう。彼女に対して「愛している」とは言えない。しかし「大好きだ」では足りない。宇多田ヒカルの『初恋』に答えがある。「I need you」だ。彼女を求めることは、僕に絶望を教えた。結ばれない運命。今はその残酷な現実を受け入れている。人生の軸も定まったと思う。本当に愛せる女性など、1人しか存在しないのだ。